主体的患者とは・・・

 病気のことなんて良く分からないし、医者に聞くしかないと思っているかもしれません。医者が知っているのは、どういう病気か?ということです。やっぱり医者に聞くしかないと思う方、ちょっと待ってください。

 医者が話すのは客観的な病気についてです。あなたの人生の中でその病気がどういう意味を持つのかは、あなた(患者)が考えるべきことなのです。救命を前提にする場合は、医者の指示に従わざるを得ないでしょう。でも、それ以外の場合は、あなたに選択権が委ねられていることをわかっているでしょうか?

 自分の健康を自主的に考え、実践し、医療を活用できる患者を主体的患者と呼んでいます。おそらく、いきなり主体的になれと言われてもピンとこないと思います。様々な意見を聞き、自分で考えていくうちに主体性は備わって来るのです。自分が何を望んでいるのかが見えてきます。そのためには、自分の健康を他の人たちが関与しやすい状態にしておく必要があるのです。

 主体的患者になるための第一歩は正確な情報を書き留めておくことです。そのためのノートが自助カルテなのです。

 

 患者さんの主体性が一番問われるのは、最期を迎えるときです。自分が失われようとするなかで自分を保つことは、本当に難しいことです。それを最期まで成し遂げられる人もいますが、難しいことの方が多いと思います。そんな入院生活の中、代わりにあなたらしさを支えてくれるのは、家族しかいません。そのために理想の逝き方を家族が引きついでいる必要があります。患者としての意思表明として、終末期医療の要望を書き留め、家族と話し合い、家族がそれを引き継いでいく過程が必要不可欠なのだと思います。その過程で患者本人のみならず、家族も生きていく覚悟をすることができるようになるのです。

 主体的患者の最終目標は、自ら主体性を持ち、家族にそれを引き継ぐことができることです。様々な考え、情報が氾濫する中で、自分を見失わないためには、自分の軸を定める必要があると思います。その軸にそって生きていくと腹をくくるとき、生きていく覚悟は自ずと身についているはずです。